女声の出し方_初心者でも解る女声講座session2

初心者でも解る女声講座

前回に引き続き第2回目となる今回は、「女声の出し方」ということで地声アプローチをベースに女声の出し方を解説していきます。

前回の講座を受講されていない方は、先にそちらをお読みいただくと今回の内容が解りやすいかと思います。

女声の出し方(地声アプローチ)

これまでに、「女声には3種類のアプローチがある」ということをお話しました。本講座では、そのうちの地声アプローチを用いた女声の出し方を解説していきます。

地声アプローチでの女声の出し方は以下の通りです。

  1. 喉仏を上げる
  2. そのまま声を出す
  3. 裏声を混ぜる

この3ステップで女声を出す事が出来ます。

とはいえ、いきなり「喉仏を上げろ!!」なんて言われても意味が分からないと思いますので、順を追って解説していきます。

喉仏を上げる

喉仏というのは首の前方についている突起物のことで、声帯を覆うように備わっている軟骨です。

女声を出すための第1ステップとして、この喉仏を上げていきます。

喉仏を上げる方法は、「水を飲む」です。

水を飲み込むことで喉仏を上げることができ、喉仏をあげることで声から男っぽさを軽減させることが出来ます。

そのようになる原理を解説する前に、声帯や共鳴腔について解説させてください。

声帯

人は、空気で声帯を振動させることで声を出しています。

人間には、食べ物や飲み物が通る食道と呼吸をする際に空気が通る気管という、口から体内へとつながる2本の管が存在し、声帯は気管に蓋をするように備わっています。

声帯で発せられた小さな振動音は鼻腔や口腔、咽頭腔といった共鳴腔と呼ばれる空洞で反響することで我々人間が聞き取れるほどの大きさの声になります。

これがいわゆる発声です。

咽頭腔

咽頭腔は”声帯から口腔までの間の空洞”のことで、声帯で発せられた音が共鳴腔の中で一番初めに通過する場所であり、声質を決める場所でもあります。

鼻腔や口腔でも多少声質に変化を持たせることは出来ますが、咽頭腔に比べると微々たるものです。そのため女声では咽頭腔の状態を変化させることで声質を変えていきます。

状態を変化させると聞くとなんだか難しそうですが、喉仏を上げることで付随して声帯も上に上がります。これを利用して意図的に”声帯から口腔までの間の空洞”を狭くすることができます。

仕組み

水を飲み込むことで喉仏の位置が上がり、喉仏が上がることで声帯の位置が上がり咽頭腔が狭くなる。ということをお話しました。では、なぜ咽頭腔を狭くする必要があるのでしょうか。

それは、「声から男っぽさを軽減させることができるから」です。

通常、音は広い空洞で響かせた音よりも狭い空洞で響かせた音の方が、高くて軽い音となります。女声では、この仕組みを声帯から発せられた音が一番初めに通過する場所である咽頭腔で応用することで、声質を高くて軽いものへ変化させています。

その結果、声から男っぽさを抜き女性のような声を出すことを可能にしています。

そのまま声を出す

水を飲み込むことで喉仏の位置が上がることは確認できたでしょうか。確認できたら続いては喉仏を上げた状態のまま声を出していきます。

喉仏の位置をキープする

喉仏を上げた状態のまま声を出すには、喉仏を上げた状態のまま位置をキープする必要があります。しかし残念ながらほとんどの場合、喉仏は水を飲み込んだ瞬間に下がってしまいます。

では、どのようにして喉仏の位置をキープしていくのでしょうか。

喉仏を上げた状態のままキープする方法は、「息を止める」です。

水を飲み込んだ瞬間にそのまま息を止めることで喉仏の位置を上げたままキープすることができます。「それでもキープできない」という方は、上がった状態の喉仏を軽く手で喉仏を支えてあげるとキープできる可能性があります。

この段階の練習は長くても一日に2~3分程度に抑えておくのがいいでしょう。喉仏を上げるということに慣れていない状態で無理をすると喉にかなりの負担がかかります。最悪の場合、喉仏が元の位置に戻らなくなってしまったり、声帯結節や声帯ポリープになってしまったりする恐れもあるため適度に休息をとることを心がけてください。

咳払い

次に、喉仏を上げた状態で声を出していきます。

喉仏を上げた状態をキープはできたが、そのまま声を出すことができないという方は、「咳払い」をすることで解決することがあります。

先ほど息を止めることで閉じてしまっていた声帯を、咳払いを用いて強制的に開かせることができます。しかし、咳払いをしすぎると声帯を痛めてしまう危険性もあるため、こちらも適度に休息をとることを心がけてください。

咳ばらいに慣れた方は咳払いのまま声につなげていくことで、喉仏を上げた状態で声を出せるようになるはずです。

喉仏を上げた状態で声を出せるようになったら自分の声を録音してみましょう。普段の地声の状態よりも喉仏を上げた状態で出す声の方が男性らしさが軽減されていることを確認してください。

裏声を混ぜる

最後に、喉仏を上げた状態で出す声に裏声を混ぜていきます。裏声を混ぜることで声に柔らかさを持たせ女性のような声質に近づけることができます。地声と裏声を混ぜた声のことを一般的にミックスボイスと呼びます。つまり女声とは、喉仏を上げた状態で出すミックスボイスということになります。本講座では裏声の混ぜ方について3つご紹介します。

裏声の混ぜ方①

まず、喉仏を上げた状態で出した声に直接混ぜる方法です。

こちらは、普段カラオケなどで日常的にミックスボイスを使っている方であればさほど難しくなく出すことが可能だと思います。あまり深く考えずに、喉仏を上げた状態でミックスボイスを出してみましょう。録音をしながら地声と裏声の分量を調整し自分の納得できる声を探してみましょう。

ミックスボイスを普段あまり使わない、もしくはミックスボイスというものを出したことが無い。という方は次にご紹介する方法を試してみてください。

裏声の混ぜ方②

次にご紹介する方法は、咳払いに裏声を混ぜる方法です。

地声を出すと同時に裏声を混ぜるのは難しいかもしれませんが、咳払いであれば難易度は下がります。喉仏を上げた状態で咳ばらいをして、咳払いに裏声を混ぜ、そのまま声につなげて発声する感覚です。できた方は①と同様に録音をしながら地声と裏声の分量を調整し自分の納得できる声を探してみましょう。

「んなこと言われてもよくわからん!!」という方は、最後にご紹介する最終手段を試してみてください。

最終手段

それでは最終手段のご紹介です。

地声と裏声を混ぜれないという方は、もう「裏声のみ」で声を出してみましょう。

しかし、これはただの裏声ではなく喉仏を上げた状態での裏声です。最初は弱々しくて気持ちの悪い声になってしまうかもしれませんが、続けていくうちに少しづつ強い声を出すことができるようになり、最終的に地声を混ぜるという感覚もつかめるかと思いますので是非めげずに頑張ってみてください。

最後に

今回は第2回目ということで、地声アプローチをベースに具体的な女声の出し方を解説してきましたが参考になりましたでしょうか。裏声を混ぜる過程はどうしても感覚的な要素が大きいため、具体性に欠ける解説になってしまい苦しいところですが、皆さんの頑張りを信じます!

次回は実際に女声で喋る方法ついて解説していきます。女声を上達させるヒントも沢山載っていますので是非お読みください。

それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。ばいばーいっ!

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